近親相姦って 古代編

歴史的に近親相姦を考察しましょう。

まず、古代。普通にあったでしょうね。

人類史をカロリー摂取の方法の視点から見るとまず大自然相手の狩猟採集生活があり、次に生産技術の発展により自然に手を加えた形の農耕や遊牧が始まります。生産性においてはこの農耕以降がそれ以前より圧倒的で、文明だの集落だの国家だのが出来たのはここからです。具体的に言えば人の管理する土地の単位面積あたりの生産量が格段にアップしたんですね。一説によれば狩猟採集だけで生活しようとすると、例えば狩猟採集の時代である縄文時代において、この日本列島全部でもっても十四万人くらいしか養えなかったとか。ざっと47都道府県で言えば各県で三千人くらいですか。

 

しかも生産性が低いから大集団にはなりません。一人を養う獲物を取るのに一山くらいの面積が必要だという事ですから。多くてはあっという間に食い尽くしてしまう。かろうじて集団で生活するにせよ、その単位は十人以下程度でしょう。つまり家族単位ですよ。お隣と会うのも大変だったでしょうね。交易なんて考えができるのもかなり後の時代ですし、であれば家族以外は敵とみなすかもしれませんし。

 

で、当時にはネットもゲームも小説もありません。楽しみと言えば異性だけ。そういう状況下で、わざわざ滅多に逢えないであろう家族以外に恋人を探しますか? 普通に近親相姦があったでしょう。全部ではなくとも日常的なものとして。実際にこの時代の人骨をDNA鑑定したら、この遺伝子の両親は近親者同士だったという例もあるそうです。

 

今に残る歴史の痕跡から見ても、例えば神話では世界中で近親相姦当たり前です。この日本でも国つくりのイザナミは兄と妹の夫婦ですし(その後破局したようですが)、ギリシア・ローマ神話でも主神ゼウスの妻ヘラは妹であり、そもそもその大本の地母神ガイアは息子と交わって数多の神を生み出しております。他にも古代チャイナの女過とか、このような例は調べてみたらいくらでもあります。

 

また人に差があるという前提で、前にも触れた古代エジプトの王家では、偉大なる王家の血が薄まらないように近親婚が必須となっていました。クレオパトラも初婚は弟とでしたし。興味深いのはそれが美談と捉えられていたようで、同時代のエジプトでは庶民も近親婚が普通にあったそうです。

 

あと近親婚が推奨される理屈としては、財産を一族外に分けたくないというのもあります。結婚によってよその一族に相続の権利が生じるくらいなら、身内で全部やるわ! という考えですね。

また女系社会の場合では? 夫はよそから夜這いなんかによる通い婚で、実際に子供を育てるのは母の兄弟とかいう社会ですと、母も子供も誰を頼るでしょう? そこにドラマはあったでしょうね。恋歌も近親相姦研究所にそういう作品を出した事もあります(いや無料で読めますから、宣伝じゃないですって)

 

ここでちょっとまとめますと、近親相姦を否定する理屈がない社会では常にあり得る事だったと言えるのではないでしょうか。そしてそっちに誘因する理由があればさらに容易に存在したと。

 

少なくとも一万年くらいご先祖を遡ってみて、一人も近親相姦者がいない人と言うのは存在しないでしょうね。確率的にも。 九世

2017年01月23日